どのデータをどう処理して数字を出しているかを全部公開します。検証して成り立たなかったものも、成り立たなかったと書きます。
国土交通省「不動産情報ライブラリ」のAPIから取得した 不動産取引価格情報を使っています。
このデータは、実際に不動産を取引した当事者へのアンケート回答をもとに作られています。すべての取引が載っているわけではありません。 回答が得られた取引だけが記録されています。
同じAPIには「成約価格情報」(レインズ由来)もありますが、こちらは2021年以降のデータしかありません。混ぜて時系列を描くと 2021年に段差が出るため、時系列も集計値もすべて取引価格情報だけで作っています。
「宅地(土地と建物)」は対象外です。面積の欄が土地面積のため、建物の価値が混ざった価格を土地面積で割ることになり、 ㎡単価の意味が崩れるためです。農地と林地も扱いません。
時系列の起点は市区町村ごとに違います。 データは仕様上2005年から提供されていますが、実際にいつから記録があるかは地域によって大きく異なります。東京都は2005年から揃っている一方、山形県は2007年からです。
全国一律の起点にすると、ある地域では存在しない急増を描き、別の地域では実在するデータを捨てることになります。そこで 「1年分の四半期がすべて揃う年が、そこから最新年まで途切れずに続く最初の年」を、市区町村ごとに起点にしています。各ページの冒頭に、その市区町村の起点を明記しています。
直近10年の記録が20件以上ある町名だけページを作っています。それ未満の町名は、数字が偶然に左右されすぎるため作りません。ページが無い町名の取引も、市区町村の集計には含まれています。
元データには同じ場所が「大字○○」と「○○」の2通りで記録されていることがあります。そのままだと同じ場所が2つに割れるため、 「大字」を取り除いて統合しています。
また、データ更新のたびに変わりうる地区コードはURLに使わず、町名名から独自に対応表を作って固定しています。
集計してみて見えた傾向のうち、検証の結果成り立たなかったものを記録しておきます。
市全体で㎡単価のばらつきを比べると、都市部が小さく地方が大きく出ました。しかしこれは市域の広さを測っていただけでした。市域の広い自治体には駅前の物件と旧町村部の物件が同じ袋に入るためです。
同じ町名の中だけで比べ直すと、市の順位はほぼ入れ替わりました。したがってばらつきを市どうしで比較することはしません。
同じ市の中で年ごとに見ると、地方都市では市どうしの差と同じくらい値が振れました。折れ線にすると意味のない上下を描くことになるため、ばらつきは町名ごとの値としてだけ出しています。
築年数が上がるほど㎡単価が低いという傾向は、取引された年で揃えても、面積帯で揃えても、同じ町名の中だけで比べても残りました。立地の違いでは説明できません。
すべての市が同じ形で増減しているなら、それは地域の事情ではなくアンケート回収率のような全国共通の要因を見ていることになります。調べたところ、市ごとの動きはばらばらでした。
ただし完全に無関係でもなかったため、件数には 都道府県全体に占める割合を必ず併記しています。全国的な増減があっても、割合なら影響を受けにくいためです。
築年数と価格の関係について、「古くなると値下がりする」とは書きません。
築年数は「取引された年 − 建てられた年」で決まるため、築年数・取引年・建築年代の3つを別々に切り分けることが、この種のデータでは原理的にできません。「築40年だから安い」のか「1980年代の建物だから安い」のかを区別できないということです。
そのため「築年数が上がるほど価格が低い」という事実の記述にとどめ、将来の値動きには触れません。
このデータは過去の四半期分が後から追加されることがあります。そのため差分での更新はせず、毎回すべて取得し直して作り直しています。直近の年は数字が増える可能性があるため、確定値として扱わないでください。
最終更新: 2026年8月28日