ureyuki は、不動産の査定も、売買の仲介もしていません。しているのは、国土交通省が公開している「実際に記録された取引価格」を、駅や市区町村ではなく町名の単位で読み解けるように整えることです。なぜそういう形にしたのか、そしてどんな考えで作っているのかを、正直に書いておきます。
不動産の相場サイトの多くは、無料査定で見込み客を集めることで成り立っています。この仕組みには、構造上どうしても書けないことがあります。「この地域は取引が減っている」=売りにくい、という事実。「この町は価格のばらつきが大きく、目安を立てにくい」。「いまは急いで動く場面ではない」。こうした、利用者にとっては大事だけれど売却の背中を押さない事実は、書いた瞬間に自分たちのビジネスと相反します。だから多くのサイトでは、能力ではなく立場の問題として書かれません。
ureyuki は査定も仲介もせず、収益は広告です。数字をよく見せる動機がないので、都合の悪い事実もそのまま書けます。「この町は10年で20件しか動いていない」も、「ばらつきが大きくて中央値をあてにしにくい」も、出たとおりに載せる。よく見せる理由がないことが、そのまま正直さの担保になっています。
このサイトで手間をかけたのは、実は「数字を出すこと」より「当てにならない数字を出さないこと」でした。データを町名まで細かくすると、それっぽい地域差はいくらでも見えてしまいます。でもその差が本物か、別の要因を見ているだけかは、確かめないと分かりません。実際、看板にしようとした指標のうち2つは、検証したら見かけの差だと分かって取り下げました。生き残ったのは、同じ町の中で条件を揃えて比べても消えなかったものだけです。くわしくは集計手法に書いています。
データの出どころは、国土交通省「不動産情報ライブラリ」で公開されている取引価格の記録です。これを町名ごとにまとめ直し、四半期ごとの更新に合わせて取り直しています。数字が古くならないようにするためです。
このサイトの手間の多くは、集計そのものより「線引き」にあります。どの数字なら出してよくて、どの数字は件数が足りず出すべきでないか。どの内訳なら意味があって、どれは混ざりを生むか。ひとつずつ決めています。競合が駅や市区町村で止まっているところを町名まで降りているのは、その線引きを引いたうえで、市区町村の平均では消えてしまう「その町の実数」を残したいからです。
出せるのは、あなたの気になる町で実際に記録された取引が語る、素の数字だけです。そこから先の判断は、あなたのものです。
最終更新: 2026年10月11日