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相場ページの読み方

中央値・件数(n)・ばらつきで、何がわかって何がわからないか。ページに並ぶ数字を、どこまで信じて、どこから先は言えないのか。その線引きごと、読み方をまとめました。

① まず見るのは「中央値」——平均ではない理由

各ページの一番上に出る㎡単価は、平均ではなく中央値です。不動産の価格は、一部の極端に高い/安い取引に平均が強く引っ張られます。10件のうち1件が飛び抜けて高いだけで、平均は実態からずれる。中央値(安い順に並べた真ん中)なら、その1件では動きません。「その町のふつうの1件はいくらか」に近いのは中央値のほうです。

飛び抜けた1件 中央値 平均
外れ値が1件あっても、平均は右へ動き、中央値は動かない。

② 次に「件数(n)」——数字の信頼度そのもの

中央値の隣には必ず n= という件数が付いています。n が大きいほど、その中央値は安定します(1件入れ替わっても動きにくい)。n が小さいと、たった1件の違いで中央値が大きく跳ねます。ureyuki では n が8件に満たないコマは数字を出さず「データ不足」と記載しています。少なすぎる数字は、正確そうに見えて実は当てにならないからです。

上野毛なら、マンションは n=191 と厚い一方、土地は n=40。同じページでも種別によって数字の“重み”が違います。中央値は必ず n とセットで見てください。

n=6(少ない) 1件で大きく動く n=191(上野毛のマンション) ほとんど動かない
青=中央値、灰破線=1件入れ替えた後の中央値。n が小さいほど大きくずれる。

③ 「ばらつき(四分位範囲)」——価格が固まっているか、散っているか

中央値の下に「取引の半分がこの幅に収まります」という帯と、ばらつきの値があります。四分位範囲は、安いほうから4分の1〜4分の3の取引が収まる価格帯。ばらつきは四分位範囲を中央値で割った値で、0.3 なら価格が中央値の近くに固まっており、1.0 なら大きく散らばっています。

上野毛の土地はばらつき 0.33、マンションは 0.34。どちらも比較的まとまっているほうです。逆にばらつきが大きい町では、中央値だけを鵜呑みにせず、下の個別の取引まで見たほうがいい、という判断材料になります。

上野毛 中古マンション ・ ばらつき 0.34 四分位範囲=真ん中の半分(約76〜108万) ばらつきが大きい町の例 ・ ばらつき 1.0
上野毛は四分位範囲が狭い(ばらつき0.34)。散らばりの大きい町ほど、同じ中央値でも帯は広がる。

④ 「区内順位」と「単価が近い地区」——比較の使い方

各ページには「区内◯位 / 全◯地区」と、「単価が近い地区」の並びがあります。これは、一つの町の数字を周りと比べて位置づけるためのものです。ひとつ注意を。単価の高い/低いは、町の優劣ではありません。駅からの距離、築年数や面積の構成、用途地域の違いが数字に出ているだけです。上野毛が「区内24位」でも、それは順位表の座標であって、良し悪しの評価ではありません。

22位世田谷 77.1万 23位野沢 74.7万 24位上野毛 74.5万 25位経堂 74.3万 26位豪徳寺 74.3万 順位が前後する地区どうしは、㎡単価がわずかしか違わない。順位=座標であって優劣ではない。
世田谷区 上野毛(土地・区内24位)と、単価が近い前後の地区。

⑤ 「内訳」——なぜ面積帯・築年・間取りで分けるのか

ページ下部には、面積帯別・築年数別・間取り別などの内訳があります。これは飾りではなく、混ぜると数字が嘘になるから分けています。㎡単価は面積と逆相関し、小さい区画ほど高く出ます。だから面積帯を揃えずに1つの中央値にすると、価格差ではなく “面積構成の違い”を見せてしまいます。種別(土地とマンション)も混ぜません。土地は土地面積あたり、マンションは専有面積あたりで、そもそも別の量だからです。

上野毛のマンションを専有面積帯で割ると、〜30㎡が95.0万、30〜50㎡が108.9万、 90㎡〜が84.2万。「小さいほど高い」とも単純には言えないのが実データで、内訳を見て初めてその町の形が分かります。

95.0108.9100.091.484.2 〜30㎡30〜5050〜7070〜9090㎡〜 混ぜると 94.3万 の1本に潰れる
上野毛 中古マンション・専有面積帯別の㎡単価(万円)。ひとつにまとめると町の形が消える。

⑥ 書いていないこと——査定額・買い時・将来予測

あえて載せていないものを明記します。物件ごとの査定額、「買い時」「売り時」の判断、将来の価格予測。理由は2つ。ひとつは、このデータはアンケート回答に基づく過去の記録の一部であり、個別物件の値付けや将来予測に使える性質のものではないから。もうひとつは、ureyuki は査定も仲介もしていないので、数字をよく見せる動機がなく、出たとおりに載せるのが一番正直だからです。判断はあなたのもので、ここが提供するのはその材料だけです。

載せているもの 載せていないもの ✓中央値 ✓件数(n) ✓ばらつき(四分位範囲) ✓内訳・個々の取引の記録 ✕物件ごとの査定額 ✕「買い時」「売り時」 ✕将来の価格予測
出すのは材料だけ。判断(査定・売買時期・予測)は載せない。

あわせて読む:なぜ「町名」まで降りて相場を見るのか/ ㎡単価の落とし穴

→ 実際のページで確かめる:世田谷区 上野毛/ 町名を探す

最終更新: 2026年10月11日